「ロキソニンとカロナール、結局どっちが効くの?」
「妊娠中や子どもは飲んでもいいの?」
深雪セナ薬局の窓口でも、この2つの痛み止めの違いについて質問をよく受けます。
打撲や歯の痛みなど、炎症による強い痛みにはロキソニンが、子どもや妊娠中の方、胃が弱い方の解熱にはカロナールが選ばれやすい傾向があります。
ただし体質や持病、飲み合わせによって向き不向きが変わるため、それぞれの特徴を知っておくと安心です。
本記事では、薬剤師の視点からロキソニン・カロナールの使い分けを整理します。
ロキソニンとカロナールの違いは成分と効き方
ロキソニンとカロナールは、どちらも痛みや熱を抑える薬ですが、含まれる成分と効き方には違いがあります。まずは2つの違いを整理します。(参考1)(参考2)
| 項目 | ロキソニン | カロナール |
|---|---|---|
| 成分名 | ロキソプロフェン | アセトアミノフェン |
| 主な作用 | 炎症と痛みを抑える | 脳に作用して痛みと熱を抑える |
| 主な効能効果 | 炎症性の痛み・発熱の緩和 | 発熱・痛みの緩和 |
| 効きはじめの目安 | 約30分〜1時間 | 約30分〜1時間 |
| 服用間隔の目安 | 約4〜6時間 | 約4〜6時間 |
| 胃への負担 | 多い傾向 | 少ない傾向 |
| 服用できる年齢の目安 | 15歳以上※ | 乳児から |
※ 一般用医薬品の場合であり、医療用医薬品は医師の判断によります(参考3)
ロキソニン
ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)は、炎症をともなう痛みに使いやすい薬です。
個人差はありますが、効果の目安は以下のとおりです。(参考1)
- 効きはじめ:服用後30分〜1時間前後
- 服用間隔:約4〜6時間
- 服用回数:1日3回まで
一方で、胃の粘膜を守る働きまで抑えてしまうため、胃腸へ負担がかかる可能性があります。



胃が弱い方は食後に服用し、空腹時の服用は避けましょう。
カロナール
カロナール(成分名:アセトアミノフェン)は、体温や痛みを感じる脳の中枢に働きかけて、熱や痛みを抑えます。
炎症を抑える働きはロキソニンより弱いものの、胃や腎臓への負担が少なく、子どもや妊娠中の方にも使いやすい薬です。
個人差はありますが、目安は以下のとおりです。(参考2)
- 効きはじめ:服用後30分〜1時間
- 服用間隔の目安:約4〜6時間
- 服用回数:1日3回まで
ただし、飲酒や大量の服用は肝臓への負担が増すため避けましょう。
ロキソニンとカロナールの使い分け方|症状・体質別7パターン
ロキソニンとカロナールは、症状の種類だけでなく、年齢や体質によっても向き不向きが変わります。
ここでは代表的なパターン別に、使い分けの判断軸を整理しました。
ご自身に当てはまるパターンから読んでみてください。
頭痛や発熱はどちらでもOK
頭痛や発熱は、ロキソニンとカロナールのどちらも使える薬です。両薬の一般用医薬品添付文書には、頭痛の鎮痛と解熱がそれぞれ効能として記載されています。(参考3)(参考4)
迷ったときは、普段飲み慣れている痛み止めを選んで構いません。
ただし、服用しても効果が感じられない場合や、痛みや発熱が強くなる場合は受診を検討しましょう。
炎症が強い痛みにはロキソニン推奨
腫れ・熱感・赤みをともなう痛みや、動かすと悪化する痛みは炎症が関わっているケースが多いです。
ロキソニンは、炎症の原因物質(プロスタグランジン)の生成を抑え、炎症を抑えます。
一方、カロナールは脳の中枢に作用して痛みを感じにくくさせるものの、炎症を抑える効果は比較的穏やかです。
そのため、歯痛・生理痛・関節痛・腰痛・打撲など炎症を伴う強い痛みにはロキソニンが向きやすいです。
ロキソニンの医療用添付文書にも、次の疾患に対する消炎鎮痛が効能として記載されています。(参考1)
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 頸肩腕症候群
- 歯痛
- 手術後、外傷後並びに抜歯後の痛み
ただし、数日服用しても改善しない場合や痛みが繰り返される場合は、受診を検討してください。
インフルエンザの発熱はカロナール推奨
ロキソニンをはじめとする非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、インフルエンザ罹患中の使用で脳症を重症化させる可能性があるとの報告があります。(参考5)



そのため臨床現場では、脳症リスクへの影響が少ないカロナールが処方されることが多いです。
発熱中に以下のような症状が見られた場合は、早めに医療機関へ相談・受診してください。(参考6)
- 呼びかけても反応が鈍い
- ぼんやりしている
- けいれんが起きた
- 急に泣き出す・怒り出すなど、いつもと様子が違う
妊娠中・授乳中はカロナール推奨
妊娠中・授乳中の解熱鎮痛剤には、カロナールが選ばれることが多いです。
ロキソニンは胎児の血管に影響を与える可能性があるため、妊娠後期(妊娠8か月以降)は服用を避ける必要があります。(参考1)
妊娠初期・中期や授乳中も、乳児や胎児への影響は少なからずあるため、自己判断での服用は控えましょう。
どちらを服用する場合も、妊娠週数や授乳中であることを医師または薬剤師に伝え、服用できるか必ず確認してください。
15歳未満はカロナール推奨
15歳未満の子どもの解熱や痛みには多くの場合、小児用のカロナール(アセトアミノフェン)が使われます。
小児への有効性・安全性のデータが十分ではないため、ロキソニン(ロキソプロフェン)を子どもに使用するのは推奨されていません。(参考1)
9.7 小児等
引用:ロキソニン錠60mg 添付文書
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
カロナールにはシロップ・細粒・坐剤・錠剤など、年齢や状態に合わせた剤形があります。
このうち小児向けのシロップや坐剤は医療用医薬品として処方されるものが中心で、ドラッグストアでは取り扱いが少ないです。



子どもの発熱が続く場合や、年齢・体重に合った剤形が必要な場合は、医療機関を受診してください。
胃が弱い人はカロナール推奨
胃もたれや胃痛が出やすい方は、胃への負担が少ないカロナールを選ぶと安心です。
ロキソニンは胃腸障害が起こりやすい薬のため、胃への負担が増すことがあります。(参考1)
次のいずれかに当てはまる方は、ロキソニンの使用を控えることが望ましいです。
- 胃が弱い方
- 空腹時に飲みたい方
- 胃潰瘍になったことがある方
どうしてもロキソニンを使う場合は、必ず食後に服用し、空腹時の服用や長期連用は避けましょう。
腎臓に持病がある人はカロナール推奨
腎臓に持病がある方には、カロナールが処方されることが多いです。
ロキソニンは腎機能に影響を及ぼす場合があるため、腎機能が低下している方への使用は慎重にすべきとされています。
ただし、実際の選択は腎機能の状態や痛みの程度によって異なります。



自己判断で服用せず、かかりつけ医や薬剤師に相談してください。
ロキソニンとカロナールのよくある質問
ロキソニンとカロナールは一緒に飲めますか
自己判断での同時服用は推奨できません。同じ目的の解熱鎮痛剤を重ねる前に、まずは片方で様子を見てください。
服用で眠くなりますか
ロキソニン・カロナールはいずれも単剤では眠気は出にくい薬です。
ロキソニンとカロナールはドラッグストアで買えますか
どちらもドラッグストアで購入できます。ただし店頭によっては、同じ成分で異なる商品名の医薬品のみ取り扱っているケースもあります。
見つからない場合は、薬剤師または登録販売者に相談してみてください。
ロキソニンとカロナールを正しく使い分けるために
ロキソニンとカロナールは、症状の強さ・体質・年齢に合わせて選ぶ薬です。



本記事を参考に、ご自身や家族にあった痛み止めを選んでください。
ただし薬の効きやすさには個人差があるため、本記事の内容はあくまで判断の目安としてご活用ください。持病・妊娠中など判断に不安がある場合は、薬剤師や医師に相談しましょう。

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